NATURE & CULTURE
Understanding environment through culture, UEHIRO×WASEDA Seminar series

2017年講座の総括

2017年9月29日~2017年1月26日の期間、上廣倫理財団寄附講座「文化から環境を考える」を早稲田大学留学センター設置科目として開講しました。2回のフィールドワーク(別途講座外としてフィールドワーク実習補講1回)を含む全15講座の内容および受講者のフィードバックについては報告書に記載の通りです。財団による助成に深く感謝申し上げます。

今期が本講座の2期目の開講となりますが、2016年度からの課題解決に向けた取り組み、今期得た今後の展望について記します。

昨年度の報告書にて①受講登録者人数、②講座形式、③Web/SNS構築、④フィールドワークの4点の課題ついて記しました。

  • 受講登録者人数については、今期は国費留学生8名を含む計21名(各学部2年次以上21名 ※日本7名、インドネシア共和国4名、アメリカ合衆国2名、シンガポール共和国2名、大韓民国2名、台湾2名、インド1名、タイ王国1名、受講者数、あいうえお順)で開講しました。昨年度の報告書にて、フィールドワークを鑑み「最大で計15~20名」が適正人数ではないかと記しましたが、講座を展開するにあたり望ましい受講者数だったと考えます。
  • 講座形式は従来の「講座形式」にくわえグループワークなどの「対話形式」、フィールドワークから得た知見による「集合知」から「問題解決型」へ重点を置きました。
  • Web/SNS構築については、本年度から本サイトおよび写真共有SNS https://www.instagram.com/natureandculturewaseda/を開設しました。「見える化」することにより、フィールドワーク時の成果を高めると同時に、各受講者に講義およびフィールドワークの様子をリポートしてもらい、講座で得られた知見をより広く社会へ還元することを目的としました。当初は各受講者間のコミュニケーションを高めるため、支援ツールである“slack”の導入も検討いたしましたが、こちらは運用に時間を要するため断念し、受講者がなじみのあるコミュニケーションツールを代用しました。
  • フィールドワークについて昨年度は3回実施しましたが、本年度はプレフィールドワークを神奈川県鎌倉市で、メインフィールドワークを沖縄県西表島で実施いたしました。いずれも新たなフィールドワーク地の選定でしたが、双方の内容が有機的につながるようプログラム開発に努めました。

昨年度記した課題については上述した内容で解決に努めました。2017年度終了時点で次年度に向けた問題意識を記します。

①秋学期開講から春学期開講へ

昨年度、今年度と優秀な日本人学生と国費留学生を中心とした外国人留学生が受講しております。学内からさらに将来有望な学生を集めるため、春学期科目にすることで、秋から海外留学予定の学生の募集に努めます。たとえば、秋からコロンビア大学に交換留学する学生と国費留学生の質の高い討論と交流をベースにした長期的なコミュニティーづくり、国際的に活躍できる人材育成に努めます。

②さらなる対話型、問題発見・解決型講義へ

今年度開設したWebをより活用し、積極的に発信するため、学内に新たに設けられたCTLT(Center  for Teaching,Learning and Technology)教室を使用します。CTLTは「対話型、問題発見・解決型授業への移行」を推進するための教室です。“ICTを活用とした教育手法の研究開発と普及”ならびに“新たな教育手法の研究と実践”に寄与することを目的としており、より社会に開かれた講義を目指し、社会還元に努めます。

③日本国内の大学における本講座の位置づけ

本年度から本講座は国費留学生の優先科目に設定されています。本学の多様性の強みをいかし、さらに本学内留学センター設置科目内においても、「文化」「環境」「フィールドワーク」を融合した科目は開講されてないため、これらを切り口にした国内唯一無二の講座を目指します。

本年度寄附講座開講にあたり財団の関係者のみなさまには多くの有益なご助言を頂戴いたしました。ここにあらためて本年度の助成に深く感謝申し上げます。また、フィールドワーク地である鎌倉、西表島の関係者のみなさま、ゲストスピーカーのみなさま、講義時にコメントを寄せてくださったみなさま、本講座の関係者のみなさまにここに記して感謝の意を表します。ありがとうございました。

 

吉川成美 礒貝日月

Leave A Reply

Your email address will not be published.